【産経抄】1月3日2010.1.3 02:25
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昭和50年代末の正月、マスコミ各社の若手記者に欠かせぬ仕事があった。東京・目白の田中角栄元首相邸の門前に張りつき、年始のあいさつにくる政治家をチェックする取材だった。年賀状が届くと何とかその数を知ろうと、配達員に食い下がった。
▼元首相は51年に発覚したロッキード事件で刑事被告人となった。58年には東京地裁で、受託収賄罪などによる有罪判決を受けていた。しかしその後も「鉄の結束」を誇った自民党田中派を率いて、強い影響力を発揮する。「闇将軍」ともいわれていたころである。
▼田中派議員が正月に目白詣でするのは、そんな結束を確認するためだった。だが、裁判で追いつめられた元首相や派閥の「虚勢」のようなものでもあった。報道する必要はあったとはいえ「虚勢」を後押ししたのではないか。忸怩(じくじ)たる思いで、そう振り返る元記者も多い。
▼今年の元日、その田中元首相の教えを受けた小沢一郎氏の自宅にも、150人を超える民主党議員が訪れたという。テレビには、上機嫌であいさつする小沢氏の姿が映し出された。見ているとつい、四半世紀ほども前になったあの情景を思い出してしまう。
▼むろん小沢氏は師と同じ立場にはない。だが西松建設からの違法献金事件で起訴された第1秘書は今、裁判中だ。また資金管理団体の土地購入疑惑でも、元秘書の衆院議員が検察の聴取を受けた。新聞報道を見るかぎり疑いの目は小沢氏の身辺に及びつつある。
▼だからこそ師同様に「軍団」の数の力を見せつけ、疑惑など押しつぶす意図のようにも見える。ならば、訪れた中に一人ぐらい「事件はどうなってる」と問いただす気骨ある者がいてもよさそうなものだ。正月だからとすまされることではない。
Sunday, January 3, 2010
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